(有限会社味源HP:https://ajigen.com/)
2007年にYahoo!ショッピングへ「自然の館」を出店した有限会社味源。
企業ブランドの確立を目指していた社長の西山さんは、EC販売強化を試みながら、お客様の「歓び」に少しでも携われるように企業を成長させてきました。
和風だし味源のだしや、SABACHi(サバチ)、TUNACHi(ツナチ)などの人気スナックを生み出し、売れ行きも好調に伸ばしています。
コロナで不況を強いられる中で、EC販売への注目が集まります。味源は、もともとECへ参入済みだったため、このタイミングでその波を感じたといいますが、特にYahoo!ショッピングの売上が全体の3割を占めていました。
しかし、当時はメルマガでの情報提供だったためか、開封率やメルマガ経由での流入、クリック率の低迷が見受けられました。
そんな味源が、ある改善がきっかけで5倍の売上向上へと繋がったきっかけをご紹介いたします。
(「自然の館」Yahoo!ショッピング:https://store.shopping.yahoo.co.jp/shizennoyakata/)
目次
メルマガからLINE活用へ、目に見えるお客様の反応の変化
以前までは、各モール「自然の館」からお客様への情報発信にメルマガを活用していました。しかし、上記でも記載した通り、メルマガでのお客様の反応があまり良くなかったため、公式LINEアカウントの導入を決めます。
公式LINEアカウントには多くのメリットがあります。例えば、友だち登録してくれたユーザーの反応をレポート化で見ることができたり、セグメント別のメッセージを作成できるなど、状況に応じた変更が柔軟に可能な点です。
メルマガだとできなかった機能が満載であり、全体的なLINEの活用頻度を考慮してもとても有効的であることが分かります。
運用開始にあたり、中間目標設定が重要です。今回の導入に際し、KPIとして「クリック率15%」「開封率55%」に設定。味源は、LINEを活用しているお客様が多いことから考えても、メルマガの時と比較して売上の向上は間違いなく図れると踏んでいました。
通知のタイミングと適切なプッシュ通知の回数
Yahoo!ショッピングでは、毎週日曜がお得なポイント還元、セール開催日です。そのキャンペーンに合わせて自然の館の情報発信も行うことで、Yahoo!ユーザーの購入意欲を高めさせ、売上拡大が狙えます。
悪魔で、配信する内容は“お客様のお得となる情報”であることを徹底し、こまめな配信を心掛けてきたという味源担当スタッフさん。この様な対策は、出店しているECモールのキャンペーンの特徴やユーザーの欲しい情報を理解していることで叶えられます。
A/Bテストとして、一番ベストなタイミングでの配信や配信回数を検証。週末のキャンペーンに合わせた事前告知、当日のクーポン配信、また、駆け込み顧客をターゲットにしたリマインド配信など、お客様心理に寄り添ったアプローチの結果、売上は一気に5倍増加。
ブロック機能が付いたLINEは、配信回数や文面も気を付ける必要があります。“小まめなメッセージ配信”を行いつつも、ブロックのリスクを考えて親しみやすい文章で送る工夫がされていました。
時間帯も、きっちりと決めてしまうことで業務感が出てしまうため、敢えて時間帯を決めず「ライブ感」を重視したリアルタイム通知を行っているそうです。
お客様へ複数の情報提供ができる「カードタイプメッセージ」の活用
簡潔で分かりやすいテキストを意識した配信を行っている味源。他にも「おすすめしたい情報訴求や遷移先は極力一つに絞る」「情報量が多くならないようにメッセージを分けて配信する」など、検証結果をもとに最適な活用方法を見出して運用しています。
LINEには「カードタイプメッセージ」といって、配信したLINEのトーク画面でカルーセル形式の情報が横スライドで見られる機能があります。この「カードタイプメッセージ」は、複数の情報が配信でき、お客様の反応も良好だといいます。
一番に見てほしい情報に関しては、1枚目に設定し配信することも可能です。試行錯誤の上で、都度細かい修正を行ってきたことで、リッチメッセージと比較しても「カードタイプメッセージ」のクリック率は2倍、流入率は3倍と成果が現れています。
このLINE活用を駆使したことにより、全体のクリック率も20~30%と良い結果に繋がりました。メルマガと比較しても2倍の効果が出せているそうです。
自然検索や広告経由以外にも、LINEでの流入が見込めるようになったことで、売上に大きく貢献していると言えます。活用方法が簡単で運用に取り入れやすい点でもおすすめです。
今までとは違ったお客様層へのアプローチに繋がった
今までの顧客様層として40代以上が多かったのに対し、LINE導入に伴い若年層への指示も増えてきているという味源。
お客様がLINEの文章をチェックされていることが分かる問い合わせも増えているため、客層の幅を拡大できていること、メッセージ訴求がしっかりと身となっていることが実感できているといいます。
今後の展望として、リッチメニューを開いた際に、チャットボットによる「どんな味?」「今の気分は?」などの質問が表示され、お客様が選択した回答に合う商品の提案ができるようなレコメンド機能も検討中のようです。
麺類や主力商品のお菓子は安価で購入できるため、リピーター育成のためにも、お客様のニーズに合うメッセージをお送りすることが理想だといいます。LINE活用によるLTVを高めることにも役立ちます。
顧客データのID連携を行い、精密なセグメント配信を目標に引き続きEC強化を行って
まとめ
公式LINEアカウントの活用方法を駆使することで、ナチュラルなアプローチが可能となり、配信した内容に対するお客様の反応も併せて確認できるため、A/Bテストも行いやすいなど利点が多くあります。
予約配信設定もできることで、業務効率化を図るにも最適です。
LINEの友だち追加いただくまでに、認知度を上げてサイトへの導線ができている必要がありますが、現在でもメルマガを活用している企業は、一度検討してみることもおすすめです。
アプローチタイミングは各社商品によって異なる場合もありますので、味源の活用方法を参考に、顧客様にハマる配信を見つけてみてください。
順調な売上で進化し続ける有限会社味源のさらなる施策に目が離せません。