沖縄でかりゆしウェアを販売しているマンゴハウスのECショップリニューアル成功事例についてご紹介します。
マンゴハウスは、デザイナーさんが直々に接客をしてくれます。お客様とお話しをすることがインスピレーションを受け、アイデアに繋がり商品が完成するといいます。かりゆしウェアと呼ばれる商品には定義があり、「沖縄らしいデザイン」「沖縄産である」の二つをクリアしてかりゆしウェアと称します。“めでたい”を意味する“かりゆし”ウェアを多くの方にお届けできるように、年齢問わず様々なデザインのシャツをラインナップし工夫を施しているマンゴハウス。
2001年に創業した「MONGO HOUSE」は、現在では沖縄で7店舗展開しています。自社ECは2007年にスタートし全国へお届けできる環境を整えました。会員数が月間1000人以上増加しているというECショップ。実店舗もECも好調に売上を上げています。
(MANGO HOUSEショップ:https://www.mangohouse.jp/)
リニューアルのきっかけ
商品数は500種類以上を誇るマンゴハウスですが、これまでも細かい修正やマイナーチェンジでECショップの運営を続けてきました。しかし、根本的に改善したい点は明確で、「見つけにくいさ、使いにくさ」を解消することでした。
リニューアルを決めてからは、まず商品を見つけやすい導線や途中離脱しにくいUIを作ることを意識して、お客様からのご意見や自身で実際に活用したときに感じた“使いにくい、分かりにくい点”をピックアップ。
使いやすさを考慮した修正点
修正点は多くあった中で、1つ目のポイントとして商品の探しやすさを意識した追加機能として、「デザイナーを探す」という検索方法を増やしたことです。
冒頭でも記載した通り、マンゴハウスで接客しているスタッフはデザイナーさんです。それぞれがお客様からインスピレーションを受け商品をカタチにしています。中には、デザイナーさんのファンとしてリピートしてくださるお客様もいるそうです。このマンゴハウスの強みをECショップでも伝えることが、商品の探しやすさに繋がると考えました。
2つ目のポイントは、メニューバーにさらに「柄で探す」を追加したことです。沖縄を連想させる柄は数多くあり「ハイビスカス」「シーサー」「デイゴ」「ドラゴン」など、お客様が求める商品ページへと的確に辿り着くためにはとても重要です。かりゆしウェアを始めて購入されるお客様も多くいらっしゃる中で、柄で探せるのはとても有難い機能だと感じます。
この柄の検索機能に関しては、リニューアル前にメンズカテゴリーで試行を行いました。その結果、マンゴハウスのサイトに訪れるお客様からの「探しやすい」というお声が届いたことで、サイト全体へ反映したといいます。
途中離脱しにくいUI設計とは
かご落ちや途中離脱しにくいUI設定を考えた結果、お客様が商品をかごに入れる際にちょっとした工夫を施しました。
その工夫とは、商品ページの「商品を選んでカートに入れる」を選択すると、全てのカラーとサイズが一覧表示される仕組みを組み込んだことです。お客様がページ遷移することへの面倒な負担を軽減することで、ページ離脱の対策を行います。
また、以前までは、商品の在庫数が表示されていませんでしたが、現在では残数が表示されるようになりました。在庫がなくなってしまった場合は「入荷お知らせ」ボタンを設置。このボタンを選択した方へは、再入荷があった時に通知が届きます。この再入荷通知にはお客様からの反響が大きく、リニューアル後は利用者が5倍に増加したといいます。
大型店舗の在庫を元にECショップへ反映していたため、その店舗の在庫がなくなってしまうと「在庫なし」と表示されていました。しかし、リニューアル後に再入荷通知の機能を導入してからは、他店舗で在庫がある場合は探しているお客様へ通知が届きます。こういった形で、売り逃し防止に繋がったことで機会損失も減り好調な売上をキープしています。
目当ての商品をどうしても欲しい方にとっては、他のサイトへ回遊してまで欲しい商品を探します。そういったこだわりの強いお客様を離脱させることなく、WEB接客ができる環境がサイト内にあることはとても大切です。
オムニチャネル施策でお客様情報の一元化
沖縄に7店舗展開しているマンゴハウスですが、ECショップと店舗の顧客情報は一元化されておらず、過去に他の店舗で購入いただいた履歴があっても確認する方法がありませんでした。実店舗では常連なのに、ECサイトでは新規扱いとなってしまう問題点。顧客管理ができていない部分を改善するために、店舗とECショップとのオムニチャネル化を実施しました。
リニューアルと同時に顧客情報の一元化を行い、今ではスタッフが店頭でECショップ会員の登録を促しています。この結果、月間1000人以上の会員数増加に成功しているといいます。また、マンゴハウスのECショップでは広告集客を行っていません。そのため、実店舗からのECショップへの流入が獲得できるようになり、重要な導線作りとなりました。さらに、店舗流入が多い事から試着済みのお客様は自身のサイズ感を理解してECショップでご購入をいただけており、様々な相乗効果が生まれています。
登録の誘導方法としては、店頭のQRコードよりLINEの友だち登録いただき、サイトの会員登録ページへ遷移する仕組みとなっているそうです。お客様が使い慣れたLINEを活用いただくことで、会員証の提示が簡易的になると考えた結果、このような導線ができたといいます。また、LINEからマンゴハウスの情報発信ができる点でも重宝しています。会員獲得の導線作りは、お客様目線に立った時の“使いやすさ”を意識して計画的に練ったことで成功に繋がっていることが分かります。
目指すは年商5,000万越え
目標は年商5,000万だというマンゴハウスは、今後ECショップのリピーターを増やすために注力していくといいます。
例えば、レビューを記載いただくことでポイントを付与する施策です。購入してから1週間から10日以内に、メールで「レビューにてポイント贈呈」のご案内を流し記載いただく方法で実施しています。今では「レビュー」が、ユーザーからとても重宝され始めているため、こういった施策は必須となってきています。また、ポイ活というワードも当たり前になってきているため、ポイント施策の実施も効果的です。
そして、スタッフ自ら発信しているブログや“かりゆしウェディング”をされたお客様の写真紹介なども目玉コンテンツだといいます。特に、コンテンツ作りをデザイナーさんが行っているという点に関して、商品を知り尽くしたデザイナーさんにしか書けない想いや情報が詰まったページになっています。ECショップであっても、親近感や信頼性の高いリアル接客と同等の完成度で作成された商品ページは、マンゴハウスの強みとなっています。
まとめ
親近感を抱いていただくために、スタッフ自ら発信するコンテンツの重要性をしっかりと理解し運用しているマンゴハウス。
リニューアルにあたり、設計やデザインは外部に相談し作り上げたといいますが、制作までのパートナー選択もECサイト作りには欠かせません。リニューアルする上で、どういった部分が自分たちの理想なのか、目的とゴールの設定を明確にして要点を正しく伝えることがチームとしてスムーズに進行できる秘訣となります。
マンゴハウスのEC運営担当者さんは、以前よりセミナーや勉強会に参加していたことで、こういったパートナーとの出会いがあったといいます。スキルや知識を習得するだけでなく、周囲との意見交換や出会いのメリットにも繋がるため、担当者さんの積極的な姿勢によってカタチとなったリニューアルのように感じました。
今後も、お客様との距離を大切にしているマンゴハウスらしいコンテンツ作りに励んでほしいと思います。