(井村屋HP:https://www.imuraya.co.jp/)
1896年に創業した井村屋株式会社は、今では多くの人に愛され続けている「あずきバー」が主力商品。しかし、創業当初はようかんやカステラ、どら焼きなどの和菓子が始まりでした。
今年で127年を迎える長い歴史を持ち、今では「あずきバー」が世界的な人気を誇っています。時代が進むごとに、「あずきバー」はシンプルだからこその進化を遂げてきました。例えば、昔はとても“甘みが強く柔らかかった”そうですが、徐々に現代の味覚に合わせて改良を重ね続けた結果、“甘さ控えめで固い”「あずきバー」となったといいます。
井村屋の経営理念は「おいしい!の笑顔をつくる」「Be always Customers(社員一人ひとりがお客様を意識して行動)」「イノベーション」のMVPです。
そんな井村屋がサイトリニューアルで前年比200%越えを達成した理由をご紹介いたします。
(井村屋ウェブショップ:https://www.imuraya-webshop.jp/shop/default.aspx)
課題はデジタルに合うサイトリニューアル
当時(2020年)の目的としては、新しい市場に合う自社ECサイトへとリニューアルすることでした。スマホやPCでのデジタル化が進む中で、そういった画面越しでの使いやすさ改善や、商品整理、ポイント施策やイベントを実施しやすい環境整備が課題だったといいます。
250種類前後で常に多くの商品数がある井村屋ですが、あずきバーの他に具の入っていない「すまん」という商品も人気を上げています。こちらは、お客様からの「具なし中華まんが欲しい」といったお声から開発された商品でした。この商品はSNS企画からスタートしたため、これを主軸に導線を作りECサイトリニューアルをスタート。
リニューアル後の「井村屋ウェブショップ」の強みは、様々な温度帯の商品を豊富な数取り揃えていること、その割に1点から購入可能であること、そして高齢者でも使いやすいサイトであることでした。高齢者の割合も高く、そういったお客様に寄り添った意味でも、課題解決は必須だった井村屋。
モバイルの進化とともにシステム変更
2020年7月にリニューアルをしている井村屋のリニューアル動機ですが、旧サイトがモバイルの進化についていけていなかったことが大きかったといいます。機能面で対応しきれない状況に不便さを感じたことがきっかけで、お客様視点に立って再設計することになります。
以前までのシステムは、バージョンアップやメンテナンスがされずマーケティング施策ができませんでした。そこで、まずはバージョンアップを勝手に行ってくれるシステムへの変更に踏み出します。
システムを刷新してからは、井村屋が行いたかった施策を実行でき、購入者数増加に成功しています。さらにコロナ禍でネットショッピングに追い風が吹き始めたことで売上は向上。画質も良くなったことで商品の良さを十分に伝えられているため、主力の「すまん」も好調だといいます。要因が重なったことで前年の200%達成という結果を打ち出しました。
スマートフォン対応もスムーズに
スマホがあっという間に普及したことで、今ではアプリ活用が当たり前になりました。以前のサイトだとスマホとの連携がでなかったため流入は望めなかったところ、リニューアル後は流入率が前年比26%向上。商品整理や導線設計を一から見直したことでスマホ経由でのCVRも上がっているといいます。
また、お客様からの「配送先を複数指定できるようにしてほしい」という声を元に、リニューアル後は指定先を複数選択可能に変更。お中元やお歳暮時の注文が増えたそうです。今では、注文時に同時会員登録を促し会員数も前年200%達成。
そして、Instagram連携ツールも導入し、お客様とのコミュニケーションが取りやすい環境に改善。井村屋のInstagramは2023年10月時点で1.2万人いました。4日以内に1回は投稿されているため、10件前後のコメントも寄せられています。画像制作にも注力していて常に4枚以上の画像が投稿されていました。
(井村屋Instagram:https://www.instagram.com/imuraya_dm/)
まとめ
どんどん進むデジタル化。時代の変化が絶えずスピーディーな環境で、常に先を見据えた対応や同時進行しなければ置いていかれてしまいます。
多くの企業がネット販売やWEBマーケティングに注目している中で、自社が描く理念や顧客様が望むブランドらしさを、如何に自分たちのカタチにできるかが重要であると感じます。今に付いていくだけではなく、根本は顧客様ありきであることを忘れずにECサイト運営を行っていきたいですね。
第一が常に顧客様目線に立つこと、または、原点に戻り第三者の目線から自社サイトを見直すことにリニューアルの意味があります。2020年の成功事例となるため、今ではより良いサイトへと変化している「井村屋ウェブショップ」。
実家でもよく目にする「あずきバー」が、この先も長く愛され続けてほしいと思います。明確な目的のもと、改善すべき点を捉えてお客様のリアルな声に耳を傾けた結果、リニューアルの効果が絶大であることが分かりやすい事例のご紹介でした。