デンタル・ホワイトニングキットやマウスウォッシュなどの口腔ケア商品を販売しているオーストラリア企業のhismile。
設立時の2014年頃、口腔ケア業界には、独自性を持つ目立ったメーカーはなかったといいます。その為、オリジナル商品を元に顧客獲得に成功している事例がありませんでした。
そこを見据えて、「口腔ケア業界で、顧客が共感できるブランドと文化をつくる」をビジョンに掲げ、オンライン販売をスタートします。
未経験からEC販売スタート
早速大きな効果をもたらしたのは、インフルエンサーに無料で商品を提供して発信してもらうギフティング戦略。
影響力の強いインフルエンサーに商品を使用していただき、情報をお客様へ共有し拡散することで、多くのお客様の目に触れることを目的にPRを行いました。今ではInstagramやTikTokで普通に行われている戦略が、当時2014年にはピッタリとニーズにハマったことで、売上拡大に成功します。
資金がなかったHiSmileは、できる限り影響力があるマイクロ・インフルエンサーさんを、できるだけ多く収集。
まずは、お客様の目により多く映ってほしい思いから、地元の人々のInstagramだけでも自社商品で埋め尽くすことを目標に試みたそうです。
この結果、計画通りにブランドの認知度を上げる事にも成功しました。
インフルエンサーの配信を自社でも再利用
お客様の信頼も獲得するために、インフルエンサーさんの流したコンテンツをEC販売ページなどで再配信をしました。これらの情報を必要なページで再露出するだけで、お客様の安心や信用に繋がります。また、コストパフォーマンスも向上し、一石二鳥。
無駄なく一連の流れを全て活用することで、知名度アップ、信頼性アップ、売上アップと良い連鎖反応を起こす段階的戦略と言えます。
注目される世代に当てたアプローチ
インフルエンサーのギフティング戦略を遂行する中、どのコンテンツがどの年齢層の方に注目されているかに着目します。
半年間で出たデータには、15〜24歳の若年層からの支持が高いことが分かり、ターゲットを絞り各ソーシャルメディア(Instagram、Facebookなど)にてアプローチを開始。
各メディアの特性に向けた、顧客ニーズやライフスタイルに合わせて配信内容に変更を加え、細部にまで拘った親和性のある寄り添ったアプローチを続けました。
1)Instagram
見てすぐに分かる比較画像を毎日2回投稿する
(Instagram:https://www.instagram.com/hismile/)
2)Facebook
同年代の女性が使用している45秒間の動画を配信
お勧めしたい知人をタグ付けしてほしいと動画の最後にコメントする。
(Facebook:https://www.facebook.com/hismileteeth/)
3)YouTube
ターゲット層と親和性の高い背景カラーに、需要の高いコスメや美容企業とのコラボ企画で幅広くニーズを獲得
し、レビュー動画などで信頼性をアプローチ
(YouTube:https://www.youtube.com/@HiSmileTV/community)
まとめ
コストが使えない中行った無料ギフティング戦略や各層向けの細かいソーシャルメディア活用を行った事で、自社コンテンツにも有効な情報を必然的に収集しながら売上向上に大成功したHiSmile。
自社ECサイト内での工夫以外にも、近しい環境から攻め知名度を上げる視覚戦略が目を引く事例です。たったの約1年で大成功に繋げるためには、段階的な施策のタイミングをしっかりと周囲が理解した上で成り立つ戦略。
未経験から始まったからこそ、慎重にいかに無駄なく進めるかを考えたスタッフ同士の協力が目に浮かびます。
今は主流となったインフルエンサー戦略ですが、各メディアにぴったりとハマるコンテンツ配信は、細かいターゲット層にいち早く気付いたHiSmileを参考にしてみると良いかもしれません。