(小島屋 自社ECサイト:https://www.kojima-ya.com/)
店舗での順調な売上が続いていた頃、あまりECサイトに力を入れていなかったといいます。
コロナがきっかけで1回目のリニューアルを行いましたが、モールの売上も自社ECの売上も順調だった小島屋。
社長の小島さんは、「ドライフルーツとナッツの上位探究者」の称号をお持ちで、とにかく多くのお客様にドライフルーツやナッツの良さを知っていただき、楽しんでいただきたい想いでお仕事をされています。
毎年、世界中で新しい味付けや種類が増え続けているため、追いかけるように新しい探求に熱心に活動されているそうです。
そんな順調だった小島屋は、なぜECサイトの2度目のリニューアルを行ったのか、そのきっかけと、売上をより向上させた改善点をご紹介いたします。
なぜを追求し、数字の分析に着手
もともと、店舗販売を行っていた為に、人員が少なく自社ECサイトの運用は、コンサルティング会社に任せていた小島屋。
毎回、コンサル会社の指示通りに施策を行い、売上は確実に伸びているものの、なぜ売れているのかを、自身が細かく分析できていなかったといいます。
そこで、小島さんは、人員が少ない中でも自分たちでECサイトの運用を行うことにしました。
売上が向上している根本を理解できていないことに、今後の不安を抱いた小島さんは、今の売上の内訳として、どんなユーザーが購入しているのか、自身の知識と現状把握の分析を始めたといいます。
その結果、今までの任せきりのサイト運用では気が付けなかった課題が見えてきたそうです。それは、想定していたよりも“リピート率”が低かったこと。
自社ECサイトで行いたいことを具体的に指標とする
まずは、自社ECサイトがどのように成長することが望ましいかを明確化し、最終目標に辿り着くまでのKPI(中間目標)を設定。
サイトへ訪れるお客様の「CV件数」と「会員登録率」の向上のために、セッション数、離脱率など、自社ECサイトの流動、購入特徴の細かい分析を行いました。
改善が必要な点のあぶり出しと、リピート率向上に直結する重要な情報収集です。
その結果、訪れるページ毎のお客様の興味関心、動向が明らかとなり、サイト内のデザインや回遊導線に修正を加えることで、確実に今以上のCV率アップに繋がることが分かったといいます。
お客様導線改善のため、デザインを変更しリニューアル
スマホで見ることを前提に改善したリニューアル後は、目的に合わせて施策を組み、最終着地を定める必要があります。まずは、店舗を認知いただくこと、それにより興味を抱く、検討していただくなど、購買ファネルを組み立てることから始めました。
具体的には、「新規購入件数アップ」「会員数増加」「リピート件数向上」を目的に施策を組んだといいます。
新規購入件数アップに関しては、集客、導線、CV、CVR別に細分化の目標を立てました。
大きなテーマではなく、より具体的なテーマへと細分化を行うことで、各目的のための施策の結果を細かく追求することができ、それに沿った部分的な軌道修正が効きやすくなります。
※商品毎に特徴や食べ方、産地の情報などが記載されています。
数字を自分たちの目で見て分析、リニューアル後はCVR 2倍へ
数字の分析を行い、お客様導線改善のためにデザイン等リニューアル後、細分化施策を考えたことで、CVRの前年比は約2倍、メルマガ会員も47%から65%に増加したといいます。
メルマガ経由の売上にも繋がっていて、全体的な改善が見込めました。
新規のお客様には、認知度を上げるためにコンテンツ施策、SEO対策強化、広告強化でアプローチ。以前までは活用していなかった、メルマガでの商品提案も行い、小島屋からの情報提供にも注力。
PRしたい商品がある際にも、新規に向けた商品案内を行い、リピートへ繋がるような工夫も取り入れました。
EC運用を自社で行い始めてからは、明確な目的を定めて施策を進める中で、数値の見方やお客様動向に対する着眼点が変化し、効果に実感できているといいます。
まとめ
企業の成長として、スタッフ間の話し合いの変化があったり、喜びに繋がる良い影響によって、仕事の楽しみにもリンクします。展開している販売チャネル毎で、売るべきタイミングや商品陳列方法は変わり、細かい違いを気付くための分析も大切になります。
モールでは、ロジックの変更がある度に読み解いたり、ランキング上位に表示させる施策に対する価格競争などが勃発。自社ECサイトでは、サイトへ訪れたお客様が何を求めているのかを見極め、数値を分析しながらブランドの良さを活かした施策や改善が必要です。
そのどちらにも共通することは、目的や目標を明確に持つこと。
まさに小島屋の自社ECサイト改善には、必要な数値を分析し理解に繋げ、過程から着地までを見据えた目標設定が重要でした。
アメ横に店舗を構える小島屋さんの商品への探求心は、お客様の心をくすぐり、次は違う種類を食べてみたい!とつい楽しみにしてしまうわくわく感があります。
これからも、お客様が楽しめる施策やPRを駆使して、より付加価値の高いブランドになってほしいと思います。