70年の歴史を持つ岩本繊維株式会社は、旅館やホテルなどの宿泊施設へ寝具に使うカバーやパジャマを販売しています。
小ロットでも受注ができる販売形態を持ち、納期に関しても、数量によっては最短1週間でオーダーが可能となっています。1点1点、オーダーを受けてから製造される「つくるパジャマ」は、“自分に合うパジャマがない”というお客様のお声があったことでオープンしました。
その為、袖や着丈、ウエストサイズのご相談、また希望の素材感に近しい生地のご用意など、多くのお客様のニーズに応えることができます。
ECサイトをオープンしてから1年で月商数十万円を達することのできたつくるパジャマですが、なぜ好調に売上を伸ばすことに成功したのか、その理由をご紹介いたします。
(岩本繊維株式会社公式HP:https://www.iwamoto-senni.co.jp/business_bedding/)
目次
以前から活用していたブログのSEO改善で集客アップ
サイトをオープンした時から続けている社長直々が記したブログ。
コンサル会社にサポートの依頼をした際に、売上を上げる施策として、商品の知識がある社長の岩本さんが書いたブログを活用してはどうかと提案されました。そのため、記事をSEO対策用に改善をし、ブログからお客様のアクセスを強化していくことからスタート。
まずは、ブログの書き溜め、投稿ペースを増やすこと、さらに、SEOに影響するタイトルタグ、画像ファイル名、ディスクリプションの修正から開始。
これまでは、独学でSEOを学びながらブログを記載していましたが、なかなか集客に繋がりませんでした。
この問題を改善するために勉強会に出席した岩本さんは、そこで出会ったコンサル企業から新しい気付きや違った視点を教えてもらい、自社サイトのフォローを依頼したといいます。
どんなに独学で対策を行っていても、集客に繋がる正しいSEO対策ができていなければ、PV数は伸びません。
書いたブログが、どのくらいの頻度で閲覧されていて、購入まで繋がっているのか、また離脱しているのかを数値化して、より良いページに改善することで売れるページに育ちます。
(つくるパジャマ自社サイト:https://www.tsukurupajama.jp/)
Google Analyticsを使った数値の分析でCVR強化
ブログへのアクセス数、購入してくれたユーザー数、また、ブログから商品ページに訪れているのに購入に繋がっていない離脱ユーザー数など、改善に至るための分析に必要な数値の取得方法として、無料にアクセス解析ができるGoogle Analyticsを活用。
1000件以上販売している全商品ページの数値を確認し、CVRやアクセス数が高いページをピックアップ後、売上に繋がらないのはなぜなのか、複数の仮説を立てながら見直しと改善へ繋げたといいます。
例えば、今とは違う画像をTOP画像に変更してみる、起用しているモデルさんを変えてみる、見ているのに購入に繋がらないコンテンツ内容の修正、そもそもの導線の組み直しなど、思い浮かぶ仮説による改善を行っては分析しました。
ユーザーが、ブログからECサイトに訪れて購入するまでの一連をワンセットとし、PDCAを回転。
さらに、一度訪れたことのあるお客様に対してリターゲティング広告の配信を行う事で、再来店に繋がるような施策も実行。
その結果、2~3か月でCVRが0.3~0.5ポイントアップ。
「パジャマへのお悩みを解決したい。」アンケートのご意見を商品開発に徹底
つくるパジャマは、お客様のオーダーメイドで受注しているため、お客様のぴったりのサイズで作ることができます。
また、サイズ感が分からないお客様のために、会員様限定でレンタルサービスも行っています。自宅にいながら試着することができるため、こだわりのあるお客様のニーズにハマる、とても嬉しいサービスです。
商品の発送時には、アンケートも同封していて、様々な御意見を商品に活かしているそうです。その中には、届いて嬉しいなどの喜びの声は勿論、改善してほしい、こういった商品を作ってほしいなどの意見も寄せられます。
そういったお声を元に、商品開発に活かしているといいます。
また、アンケートはがきを同封して、お客様がお返事をくださる回収率は3割。
3割の回収率は比較的高く、お客様がわざわざアンケートに答えてくれる理由として、“つくるパジャマ“を信頼して購入していることが伝わります。
リアルなお客様の声により、より良い商品が誕生し、アンケートをもとにしたブログも記載。こういった情報発信により、その後もお客様がアンケートに答えやすい環境作りが自然とできているつくるパジャマ。
アンケートのNPS調査で、お客様のブランドへの愛着度、他社におすすめできるかを調べた結果、アンケートで商品開発に活かしてきた取り組みなどが高く評価され、高得点の20点を獲得。
今後の展望や改善すべき新たな課題
業績が好調な“つくるパジャマ”は、今後の課題として、受注数に対する管理業務、バックオフィス操作の効率化を目標としています。
使用しているツールの変更や新しいシステムの導入など、作れるコンテンツの幅を拡大し、ニーズに合わせた成長が必要だといいます。
以前までの平均的な購入額、購入率の分析を行い、次の購入へと繋げる低コスト施策なども企画しているそうです。
まとめ
今後も、お客様の要望に応えられる商品開発を行っていくことを大前提に、EC事業に力を入れ課題をクリアし、お客様が喜ぶサイトを目指していくという“つくるパジャマ”。
データ分析と同じくらいに重要性が高いと言われている、アンケート分かる新しい指標NPS調査。
そういったお客様のリアルな声を最大限に活用した課題改善が目を引く事例でした。
社長がパジャマの知識を用いて熱い想いで記すブログこそ、WEB接客としてとても効果的な役割です。ブランドらしさが伝わり、且つそのブランドが最も得意とするコンテンツを強化するという柔軟な思考は、ECサイト改善にて参考にすべき点だと感じます。
1年間で様々な仮説からPDCAを回し、細かい軌道修正を行ってきたつくるパジャマ。
今後もアンケートの回答率やお客様に寄り添う商品開発に注目したくなるようなEC事例のご紹介でした。
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